リヤドロのねこ(スペイン)

 写真はリヤドロ社製のネコちゃんです。尾に乗ったネズミがくったくのない顔でネコちゃんを見上げています。ネコちゃんのちょっと複雑な表情が何ともかわいいですね。リヤドロ社は1953年頃スペインの小さな村で三人兄弟がはじめた小さな窯が最初です。世界各国で高い評価を受けてまたたくまに磁器人形のトップブランドに成長しました。調べてみますと磁器人形自体は1750年代にマイセンで完成しています。しかし,マイセンの磁器人形ヘンチェルシリーズの発売は1905年,ゲーベル社のフンメルシリーズが1935年,リヤドロ人形が1950年代ですから,200年間の空白があります。手作りにたよる磁器人形の商業化はそれだけハードルが高いということでしょうか。陶磁器は粘土の質と焼成温度によって土器,陶器,磁器等にわけられ,博多人形をはじめ日本の人形の多くは瓦と同じ土器の人形ですから、柿右衛門で世界の先端を走った日本も、磁器人形の分野では西欧に遅れをとったということになりそうです。 戻る