ゴブラン織り

ゴブランのクッション(拡大可)
ゴブランのクッション(拡大可)

 木製のベンチに置かれたクッションはゴブラン織りと呼ばれる織物で,ネコチャンたちがいきいきと描かれています。ヨーロッパの古城を見学すると、きまって壁に掛けられている精緻なタペストリーが目を引きます。ゴブラン織りは日本ではつづれ織りと呼ばれ,京都西陣の帯が有名です。ゴブランがタペストリーの代名詞にまでなったのはフランス王ルイ14世が1666年にベルギーの染織家 J.Gobelinを招いてタペストリーを生産させてからです。産業の隆盛を手にしたルイ14世は絶対王政の象徴としてベルサイユ宮殿を建立し,さらに宗教統一をおしすすめました。しかし,迫害を恐れた技術者の国外流出によって産業は停滞に向かいました。現在ゴブラン織りのほとんどはベルギー製となっています。ルイ14世はレース編みの普及にも力を入れ,レースが国家予算を揺るがすほどにまでになりました。これもフランス王家の滅亡と同時に失われました。