フジ子ヘミングの「猫とバラ」の右側にある絵は竹久夢二の美人画の中でも最高傑作といわれる「黒船屋」のレプリカです。たまたま本郷で求めたものですが,調べてみますとこの絵と本郷とは関係がないでもありません。夭折した最愛の女性彦乃が病床にあった際,面会を禁じられた夢二が病院に近い本郷の菊富士ホテルに逗留し,お葉さんをモデルに彦乃を描いたものといわれています。彦乃を抱くようにも見える黒猫は夢二自身ではないかといわれているようです。西洋では黒猫は悪魔の使いといわれて迫害された時代があったそうです。しかし,日本では猫は魔除けや福を招くといわれ,特に黒猫は労咳(結核)を治すと信じられていたそうですので,夢二は結核を患った彦乃の快復を黒猫の絵に託したのかも知れませんね。その後モデルとなったお葉さんと一緒になったのですが,生涯彦乃への想いを断切れなかったといわれています。→戻る
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