「好楽日和」 三遊亭好楽 晶文社刊

 好楽日和 晶文社 2012年
 好楽日和 晶文社 2012年

 写真は三遊亭好楽師匠の「好楽日和」(晶文社2012年刊)です。私の経験では、話が上手な人は書くのが苦手、いい本を書く人は話しは苦手というのが大方の相場でした。その経験則で落語家の本だから面白くないだろうと後ろから斜め読みを始めたのですが、思ったより面白くてだんだん前の方に読み進みました。おかしいと思って読み返してみたらあとがきの一番最後にこの本は飲みながらまとめたものだとありました。なるほど。

 公演では幼稚園のこどものはなしがお笑いのネタでした。この本でも保育士をされているお嬢さんの話がでてきます。しかし、「親でもないのに卒業式で泣く」のくだりはおもわずホロリとしてしまいました。好楽師匠の優しさが伝わってくるエピソードです。

 ネコちゃんと暮らしていると言葉が通じなくても心が伝わることがよくわかります。私がそっと近寄ると末娘のターニャちゃんはあどけない瞳で私を見上げますが、長男のアビ君はいつでも逃げ出せる体勢で振り返ります。